◆中国西部四川省の首府成都で発掘した”金沙遺跡”は、その近くにある”三星堆遺跡”ともに”揚子江文明”の解明に一歩近くになった!
◆「朝日新聞」2001年4月2日により:
「中国上海市日刊紙・文匯報は2001年2月2日、四川省成都市の西郊で三星堆遺跡に匹敵する「金沙遺跡」が発掘され、黄金の仮面(写真、文匯報提供)や玉器、青銅器、ぞうげにど千点余りが出土した、と報じた。約3千年前の殷代末から周代に、長江(揚子江)上流域の政治・経済・文化の中心だった可能性が高いという。」「金沙遺跡は2001年2月、宅地開発中に見つかった。これまでに青銅器の人物立像や鈴、トラやヘビ、正座した人間をかたどった石器、矛やおのなどの玉器など多彩な出土品が見つかっている。成都周辺には、目が突き出した「大型縦目仮面」などの青銅器が出土した三星堆遺跡がある。同紙は金沙遺跡からの出土品について「三星堆に勝るとも劣らない」とする専門家の見方を紹介した。中でも今回見つかった青銅製立像は三星堆遺跡の立像とそっくりだという。また玉器の型などから他地域の文化との交流のあとも、うかがえる」という。
◆量博満・上智大学名誉教授(中国考古学)の話により:
「黄金仮面はまさに珍品中の珍品。この時期、殷などにも例はなく、金製品としてもほかに三星堆遺跡の黄金の杖があるくらいだ。遺物の組み合わせも両遺跡はよく似ており、成都周辺の古代文化の地域色を示しているのかもしれない。黄河流域で栄えた殷・周王朝との交流を考える上でも重要な存在だと思う。」
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